事業所に適した危険物貯蔵庫の選び方
事業所に適した危険物貯蔵庫の選び方
危険物を扱う事業所は、その貯蔵・保管場所に注意を払わなくてはなりませんが、まとまった敷地面積を必要にすることが多いです。
選び方のポイントは敷地面積の半分を常時、貯蔵に使い、残りの半分の敷地面積を予備で残しておくことです。
つまり危険物貯蔵庫を選ぶ上で大切なことには、どのくらいの面積の建物を構築するかになります。
もし危険物貯蔵庫が満杯になった場合には、拡張できるかも押さえておくことも重要です。
そして面積が決まれば、あとはどの構造の危険物貯蔵庫を構築するかで、テント型を利用することも検討をした方が良いかもしれません。
テント型のタイプだと工期も短く、コストもかからないので最適なのは確かですが、事業所のある場所では周囲の環境や気象条件により馴染まないケースもあります。
例えば風で吹き飛ばされる恐れもあったり、木やゴミが飛んできてテントの素材を切り裂いてしまうケースも存在します。
そのため素材を何で構築するかの視点も大切になるので、特に風害の恐れがある地域では、横殴りの風でも対応ができる堅牢な造りで建てることを検討すると良いです。
危険物貯蔵庫の目的は火災等の安全性を確保するためのもの
まず危険物貯蔵庫とは何かを理解しなければなりません。
法令上、消防法上の危険物と毒物及び劇物取締法上の危険物があり、ここでは消防法上の危険物貯蔵庫についてみてみます。
そもそも消防法は火災の予防、警戒、鎮圧による生命・身体・財産の保護・被害軽減を目的として定められており危険物を火災を発生させる危険性の高い物質と定義し、保管方法や運送方法を厳密に定めています。
危険物貯蔵庫は、指定数量以上の危険物を貯蔵し安全性を確保する目的で建築された施設で、屋内貯蔵所や屋外貯蔵所、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)など複数の種類があります。
指定数量とは、危険物においてその危険性を勘案して政令で定める数量で、指定数量の倍数を規制基準として実務が行われています。
更に、危険物貯蔵庫の規制を受けない貯蔵または取り扱いも市町村条例で技術上の基準が定められており、消防署長の届出や事故防止に必要な措置を講じることが義務付けられています。